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エージェントを使わずに、自分で出願する完全手順

全工程の所要時間と実費を隠さずに並べる。実作業25〜50時間、実費5〜10万円。一番時間を食うのは書類作成ではなく、課程ごとの調査だという事実から始める。読んで自力で行けると判断したら、そうしてほしい。


エージェントを使わずに、ドイツの大学院へ自分で出願する。これは十分に可能です。

この記事では、その全工程を最初から最後まで並べます。何をどの順番でやり、それぞれ何時間かかり、実費がいくらになるのか。 隠さずに全部書きます。読んで「自分でやれそうだ」と思ったら、自分でやってください。それが一番安く済みます。

全体像

工程ごとの所要時間と、詰まりやすさです。

工程実作業の時間待ち時間難易度
1. 出願できる課程を探す10〜20時間
2. anabin で学歴を確認30分
3. 英語スコアを取る試験対策による結果まで2週間
4. 大学から証明書を取り寄せる1〜2時間1〜2週間
5. 認証翻訳を手配する1時間2〜3週間
6. 志望動機書を書く5〜15時間
7. 英文 CV を作る2〜3時間
8. uni-assist に入力・提出2〜4時間6〜7週間
9. 不備の差し戻しに対応0〜5時間数週間

実作業の合計はおよそ25〜50時間。 期間としては、証明書の発行待ちと uni-assist の処理を含めて 3〜4ヶ月 を見ておいてください。

一番時間を食うのが工程1だという点に注目してください。書類作成ではありません。

実費の合計

項目金額
uni-assist(3課程)€75 + €30 × 2 = €135
英語試験(IELTS / TOEFL)25,000〜30,000円
認証翻訳0円〜数万円(下記参照)
証明書の発行手数料数百〜数千円

日本円でおよそ5〜10万円。 これが、代行を一切使わずに出願した場合の総額です。一般的な留学エージェントに払う20〜50万円と比べてください。

翻訳費をゼロにできる場合がある

uni-assist の規定では、翻訳を作れるのは宣誓翻訳者か、証明書を発行した大学の翻訳発行権限のある部署のどちらかです。

そして日本の多くの大学は、英文の成績証明書と卒業証明書を公式に発行しています。これは「発行元の大学が出した英語の書類」なので、翻訳の問題自体が発生しません。

有料の翻訳を手配する前に、必ず自分の大学の教務課に英文証明書が出せるか確認してください。 知らずに全書類を業者に出すと、数万円が丸ごと無駄になります。詳しくは uni-assist の記事に書きました。

工程1:出願できる課程を探す

ここが最難関です。そして、ほとんどの人が想像していないほど時間がかかります。

なぜ大変なのか

やるべきことは、候補になりそうな課程について1つずつ、以下を確認していく作業です。

  • 英語だけで修了できるか
  • 出願締切はいつか(冬学期・夏学期それぞれ)
  • 英語スコアの要求水準はいくつか
  • 必要書類は何か
  • uni-assist 経由か、大学へ直接出願か、VPD が必要か
  • 自分の履修科目で、その課程の前提科目要件を満たすか
  • 州によって授業料がかかるか

これを課程ごとにやります。大学ごとではありません。同じ大学でも課程によって締切も要件も違います。

さらに、ドイツの大学のサイトは英語版が用意されていても、肝心な部分がドイツ語のままだったり、英語版の情報が古かったりします。翻訳しながら読み、どちらが最新かを判断する必要があります。

候補が5つあれば 10〜20時間。これが現実的な見積もりです。

順番を間違えないこと

多くの人が「行きたい大学」から考え始めますが、逆です。

ドイツの修士は学士での専攻の一致を厳格に見ます。憧れの大学を見つけても、自分の履修科目が要件を満たしていなければ出願すらできません。

正しい順番はこうです。

  1. 自分の成績表を開き、履修した科目を分野ごとに集計する
  2. その内容で要件を満たせる課程を探す
  3. 見つかった中から、行きたい順に並べる

私自身、GPA は 2.7 でした。それでも要件が噛み合う課程は存在しました。志望校を先に決めていたら、たどり着けなかったと思います。

探し方

このサイトのプログラム一覧で、分野・大学・州(=学費の有無)による絞り込みができます。日本語で横断検索できる場所が他に無かったので作りました。

より網羅的に探すなら DAAD の公式データベースが最大の情報源ですが、英語かドイツ語で、検索条件も細かいです。このサイトで当たりをつけてから DAAD で詳細を確認する、という使い方を想定しています。

工程2:anabin で学歴を確認

自分の出身大学と学位が、ドイツ側でどう評価されるかを確認します。5分で終わります。

大学が H+、学位が entspricht と出ていれば、学歴の前提条件はクリアです。手順は anabin の記事にまとめました。

ここで結果が出なければ他が全部揃っていても出願できないので、一番最初にやってください。

工程3〜5:書類を揃える

事務作業です。難しくはありませんが、待ち時間が長いので早く着手してください。

  • 英語スコアは有効期限があるので、取得時期を逆算する
  • 証明書の発行は大学によって1〜2週間かかる
  • 認証翻訳が必要な場合、さらに2〜3週間

締切の3ヶ月前には動き始めているのが理想です。

工程6:志望動機書

日本の自己PRをそのまま英訳すると落ちます。 ドイツが評価するのは熱意ではなく、学士で学んだこと・足りないもの・この課程のどの科目が埋めるか・その先のキャリア、という論理の接続です。

書き方は志望動機書の記事に構成ごと書きました。

ここは自己判定が難しい唯一の工程です。日本語で読んで違和感がないことと、ドイツの審査基準で通用することは別なので。

工程8:uni-assist

日本からの出願は処理に6〜7週間かかります。しかも uni-assist 自身が「締切の8週間前までに出せ」と案内しています。不備があった場合に出し直す時間を確保するためです。

つまり実質的な締切は2ヶ月前です。これを知らずにギリギリに出すと、不備が見つかった時点で終わります。

独学で行ける人、厳しい人

正直に書きます。

独学で問題ない人

  • 英語の技術文書を読むのが苦にならない
  • 3〜4ヶ月のスケジュールを自分で管理できる
  • 卒論や就活と並行しても、20〜50時間を確保できる
  • 分からないことを自分で調べ切れる

理工系の学生の多くはここに当てはまります。当てはまるなら、自分でやってください。 その方が安いですし、手続きを理解しておくことは渡独後にも効きます。

厳しい人

  • 卒論・研究・就活が重なっていて、単純に時間がない
  • 自分の履修内容が要件を満たすか判断がつかない
  • 締切を1つでも落としたら1年待つことになるので、確実に通したい

調査だけを外注するという選択

この記事を読んで「やれそうだが、工程1の10〜20時間がきつい」と思った方へ。

そこだけを外すことができます。 適合診断(¥35,000)では、あなたの成績表と履修科目から出せる課程を特定したうえで、締切・英語スコア要件・必要書類・選考の傾向まで確認済みのデータベースを開放します。

つまり、工程1が丸ごと消えます。残りは書かれている通りに進める作業なので、自分でできます。

  • 完全に独学:実費のみ(5〜10万円)+ 調査20時間
  • 適合診断だけ使う:+¥35,000 で調査がゼロに
  • 一般的な留学エージェント:20〜50万円

全部を頼む必要はありません。足りない部分だけ買ってください。 そして、全部自分でやれると判断したなら、この記事の手順で進めてもらって構いません。それが一番安上がりです。

この記事の情報について

所要時間は目安であり、志望する課程数や個人の状況によって変わります。uni-assist の処理時間、手数料、必要書類は変更されるため、実際の出願にあたっては必ず公式サイトと志望大学のページで最新の情報を確認してください。

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