anabin で自分の大学がどう評価されるかを調べる手順
出願資格の出発点。H+ / H+- / H- の意味と、自分の出身大学・学位を検索する具体的な手順を画面つきで。ここが分からず止まる人が非常に多い。
ドイツの大学院に出願するとき、最初にやるべき作業がこれです。志望校を調べるより先にやってください。
理由は単純で、ここで結果が出なければ、他がどれだけ揃っていても出願できないからです。逆にここさえ通っていれば、以降の準備は普通に進みます。5分で終わる作業なので、今この記事を読みながら済ませてしまうことをおすすめします。
anabin とは
anabin は、KMK(ドイツ各州文部大臣会議)が運営する、外国の学歴評価データベースです。世界中の大学と学位について、「ドイツの基準ではこう評価する」という判定が登録されています。
ドイツの大学は、出願者の学歴をここで確認します。つまりあなたの評価は、出願する前から既にデータベース上に存在しているということです。だから先に見に行けます。
調べるものは2つある
ここが最初のつまずきポイントです。大学と学位は別々に登録されており、両方を確認する必要があります。
| 調べるもの | セクション | 見るべき結果 |
|---|---|---|
| 出身大学そのもの | Institutionen | H+ / H+/- / H- |
| 取得した学位 | Hochschulabschlüsse | entspricht / gleichwertig |
大学が認められていても学位が対応していない、あるいはその逆もあり得ます。片方だけ見て安心しないでください。
大学のステータス
| 表示 | 意味 |
|---|---|
| H+ | ドイツに認められた高等教育機関。問題なし |
| H+/- | 課程や時期によって扱いが変わる。個別に確認が必要 |
| H- | ドイツの高等教育機関として認められていない |
目指すのは H+ です。日本の主要な大学の多くはここに該当します。
学位の評価
学位の側では entspricht(相当する)または gleichwertig(同等である)と出ていれば、その学位がドイツの学位に相当すると認められています。
大学が H+、学位が entspricht。この2つが揃って初めて、学歴の前提条件をクリアしたことになります。
実際の手順
anabin は使いにくいことで有名です。理由は3つあります。
- インターフェースがドイツ語のみ。英語版がありません
- 古い作りで、検索結果が別枠に表示されるため迷いやすい
- 大学名がドイツ語表記や英語表記で登録されており、日本語では引けない
手順としてはこうなります。
- anabin.kmk.org を開く
- Institutionen のセクションへ進む
- 国の一覧から Japan を選ぶ
- 自分の大学を探す。日本語では出てこないので、英語表記(例:
University of Tokyo,Kyoto University)で探す - ステータス(H+ など)を確認する
- 次に Hochschulabschlüsse のセクションで、自分の学位を確認する
ブラウザの翻訳機能を使うと格段に楽になります。ドイツ語ができなくても問題ありません。
見つけたら、画面を保存しておいてください。 後の手続きで参照することがあります。
出てこなかった場合
大学が見つからない、あるいはステータスがはっきりしない場合でも、それは「駄目」を意味しません。
ドイツの制度は、データベースに無い場合は個別に審査するという設計になっています。担当するのは ZAB(外国教育情報センター) で、ここが発行する Zeugnisbewertung(学歴同等性評価書)が、個別ケースの正式な回答になります。
有料で、数ヶ月かかります。該当しそうなら早めに動いてください。特に高専出身の方は、この個別審査が現実的な選択肢になる可能性があります。
anabin が答えてくれないこと
ここを誤解している人が非常に多いので、明確にしておきます。
anabin が判定するのは、あなたの学歴がドイツの学歴制度のどこに位置するかだけです。志望する課程に出願できるかどうかは、別の問題です。
具体的には、anabin は次のことを教えてくれません。
- 専攻が一致しているか — ドイツの修士は学士での専攻の一致を厳しく見ます。H+ の大学を出ていても、履修科目が要件を満たさなければ出願できません
- 単位数が足りているか — 課程ごとに「この分野で最低◯単位」という要件があります
- 成績が足りているか — GPA の基準は課程が独自に決めます
- 合格するかどうか — anabin は選考機関ではありません
つまり anabin は入口の門であって、審査ではありません。ここを通過したら、次は課程ごとの要件との突き合わせに進んでください。
確認できたら次にやること
- 志望する課程が要求する前提科目を洗い出す
- 自分の成績表と突き合わせ、単位数が足りているか確認する
- 足りない場合、卒業までに履修できるか検討する
この3つが、anabin の次に来る作業です。日本の学部にありがちな「幅広く学ぶ」カリキュラムだと、特定分野の単位が要件に届かないことがあるので、早い段階で確認するほど手が打てます。
この記事の情報について
anabin の画面構成や表記は変更されることがあります。またステータスの判定も更新されるため、出願の直前にもう一度確認することをおすすめします。判断に迷う場合は、志望大学の International Office に直接問い合わせるのが確実です。